ニューヒューマニズム・フォーラム・ヨコハマ

　ロシアのプーチン大統領は昨年大統領選で2024年までの任期を決め、「皇帝のような強さ」にこだわり独裁的な国家主義に動いています。また、中国の習国家主席は憲法を改正して終身の国家主席も可能とし、独裁監視国家の支配を強めています。本来、世界の民主化支援を外交の柱に掲げてきたアメリカは、トランプ大統領になってから国際協調をないがしろにし、ロシア・中国の国家主義に同調しています。このように世界はいま、日本を含め民主主義の後退と国家主義の台頭という流れが強まっています。「自由はないけれど、国のいう通りに従っていれば安全に保護してあげるから言うことをききなさい」という「奴隷の幸せ」です。

　また、アメリカを筆頭にヨーロッパ諸国で、現状への怒りや不満を利用し、大衆を扇動するポピュリズムの政党が勢力を拡大しています。最近ではブラジルにもポピュリズム政権が誕生し、自国第一主義が蔓延しています。さらに、世界の核兵器の90％以上を保有するアメリカ・ロシアの核兵器による力の平和が世界を支配しています。

　このような世界にあって、私達ＮＰＯは昨年11月に平和教育セミナーを開催し、核時代における「生き方の規範」として①「個人の尊厳と平等を守る」②「自他ともの幸福を目指す」③「非暴力を生きる」という一人の人間として譲れない価値を提示し、多くの賛同を得ました。

　昨年、親日家として知られるマレーシアのマハティール首相が来日した際、「日本には模範とすべき平和憲法がある。マレーシアでも同様の憲法を作りたい」と話していました。また、「(我々は)戦争に行くことを許さない日本の現行憲法に続くことを考えている」と言及し、改憲の動きにクギを刺しました。ようやく世界が憲法9条に追い付いてきたようです。

　本年、私たちＮＰＯは皆さまと共にＳＮＳなどを駆使して、「憲法9条」を護り、「核兵器禁止条約」の署名、批准への働きかけを力強く推進していく決意です。本年も皆様にとって素晴らしい一年となりますよう、心からお祈り申し上げます。

ＮＰＯ法人　ニューヒューマニズム・フォーラム・ヨコハマ